鏡に映し出されたのは、黒の首輪。



その黒の首輪の真ん中に、不敵に輝く月がついていた。



ひどいよ甲賀さん・・・・・・



あんな優しそうな人だったのに・・・・・・



「・・・・・・・・じゃない」



「はあっ?」



「冗談じゃないわよ!なんであたしが誘拐されなきゃいけないの!?」



すると甲賀は驚くことなく、凛とした表情で、



「理由は無い」



「じゃあなんで!?」



「こうしたかったんだよ」



そう言って甲賀は、あたしの頬を撫でる。



「ちょっ・・・・・やめてよ!」




甲賀が相を誘拐した理由・・・それは、欲を満たす為だった。