「美並(ミナミ)!!」



『な、何……』



今日は土曜日。



天気は快晴。



そして真昼間。



異様にテンションの高いお母さんがリビングからドタドタあたしの部屋に入り込んでくる。



「明日ね、翔ちゃん帰るらしいの…」



『嘘、翔ちゃん!?』



電話の子機を持ちながらピョンピョン跳びはねて嬉しがるお母さん。



それもそのハズ。


もう10年ぶりってくらいかもしれない。



翔ちゃんが日本に帰って来るらしい……。



翔ちゃんって言うのは、小学1年の時に、親の都合でアメリカに行っちゃったあたしの幼馴染。



本名、久城翔太(クジョウ ショウタ)で幼稚園の時からずっと通称はぶーちゃんまたは豚の二つ…どっちかで。



それの原因は、もちろん翔ちゃんが太ってたから。



そう言えば小さい頃から食べるの大好きで…他の男子達にいじめられたらストレスでもっと食べてて…泣いてて…それを一々、あたしが慰めに行って…。


毎日、一緒に星空何か見てたっけ…。