カチャカチャと音をさせながら手慣れた手つきで何気なくコップを出す遼くん。
―――それにすら、見とれてしまうなんて、自分が本当嫌になる。
「今日もまたココア?」
「――うん、」
「最近実乃、甘党だよね」
くすり、と笑うきみが一瞬滲んで見えて、急いで瞳を拭いた。
――甘いのがすきになった訳じゃないよ。
だって...さ、お砂糖たっぷり入れて、甘くないと無意識に泣いてしまいそうになるから。
自分に負けて、苦しくて、
言ってしまいそうになる。
...きみがすき、だと。
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