「ただいま・・・」


今にも消え入りそうな声で言った。





「智夏?帰ったの?」



「慶悟・・・」




あー、ヤバイ・・・泣きそう・・・。



「電話してくれれば・・・って智夏!?」




慶悟の声を聞いたら安心して涙が出てきた。



あたしは慶悟にバレるのが嫌で、階段を駆け上った。




「智夏、どうしたんだよ。何かヘンだぞ?」


慶悟の言葉にまたあたしの悪い癖が飛び出す。




「うるさい!!1人にしてよ!!!」



「どうしてだよ!?何かあったんだろ!?」



「何もない!!!友達の家行ってただけだもん!!!」




「何でホントのこと教えてくれないんだよ」



「言ったって、どうにもなんないじゃん!!」




「俺は智夏の力になりたいんだよ」



「なんでこんなのの力になりたいのさ!!!」