痛い。
痛い。
痛い。
痛い。



もう嫌だ。

何であたしだけこんな目に遭わないといけないの?



屋上であたしは言った。



あの後、あたしが気づいたときには誰もいなくて


フラフラした足取りでここに来た。




時刻は午後6時過ぎ。


さすがに家出はもう出来ない。



ReReReReRe...


「うわっ」




意外と大きかったケータイの着信音に1人で驚く。


ディスプレイには『慶悟』と出ている。


「はい・・・もしもし・・・」



《智夏、今どこ!?》

「・・・友達の家なんだ!ごめんね、電話するの忘れてた」

《え・・・何だ・・・俺、また智夏に何かあったのかと思った》

「え・・・あぁ、大丈夫だよ。ありがと、心配してくれて」

《親にはうまく言っとくから、帰るとき電話して?》

「遅くなるかもだよ?」

《俺、何時になっても待ってるから》

「うん分かった。ありがと。じゃぁね」

《ばいばい》



電話は切れた。