ウィーン・・・



どこかの扉が開く音が聞こえた。




「もしかして・・・慶悟!!」



待合室を出ると、白衣を着た先生・・・多分、慶悟の執刀を務めた人がいた。



あたしは我を忘れて、先生にしがみついた。




「先生!慶悟は!?慶悟は無事なんですか!?!?」




あたしが必死になって聞いても、先生は冷静に答えた。




「今はどうにも・・・我々が出来ることは全てしました。あとは彼次第です」




「なによそれ!!!それじゃ分かんないじゃない!!!助かるかって聞いてんの!!!」



「智夏!落ち着いて!」





妃那の声で我に返る。





何で分かんないのよ・・・医者でしょ・・・?





「慶悟くんは今集中治療室にいます。そばについてあげてください」





先生はおじぎをして、病棟に消えた。






あたしは妃那と一緒に走った。






慶悟が待っているところへ・・・