☆智夏side☆





「あれ、智夏じゃん。どした?んなとこで」





あたしに声をかけたのは、幼なじみの今川 慶悟。





幼稚園の頃から一緒。





「お―い、俺の質問聞こえてる―?」





お・・・っと、つい、ぼ―っとしちゃった。





「あぁ、・・・ケンカしちゃって。・・・親と」





最後は本当に小さな声で言ったから、慶悟に聞こえてるか気になったんだけど。





どうにか、聞こえたみたい。





「なるほど。で、家を出たわけだ。うん、納得」





慶悟はうんうんと、うなずいている。





「でもね、行くとこないしお金もないし。かと言って、家には戻りたくない・・・し」