「智夏、何乗る?どれも人多いけど」




「どうしよ・・・」



今日は休みっていうもんだから、家族がすごく多い。



遊園地内は小さい子供の無邪気な笑顔で溢れている。




「そうだ、ヒヤっとするとこ行くか」



ヒヤっとするとこ・・・って、1つしかなくない?




「はい、ここ―」




「え゛・・・」




辿り着いたのは、やっぱりお化け屋敷。




「その様子じゃ、相当嫌いなんだな」




慶悟の口角が上がった。




Sっ気のあるとびきりの笑顔。




「嫌いだけど・・・悪い!?」




睨んで言ったら、慶悟の顔が赤くなった。



そして一言。




〝こんなとこで、んな顔すんじゃねぇよ〟