次の日、ラディウスはクルーエルに夢のことを話すと、クルーエルはにっこり笑って、決まりだね、と言った。


二人は帝都に行くためには必ず通っていかなければならない、帝都の砦に来ていた。
難攻不落の不屈の要塞と名高いリオー砦である。

「うー……ん。どうやって通ろうかな」

「通らせてくださいって言ったら通れるんじゃないかな」

クルーエルはのほほんとして、なんにもわかっていない平和で勝手なことを言っていた。
ラディウスは当然それを無視し、なにかいい方法はないかと考え続けた。
やがてクルーエルは反応しないラディウスに飽きて、砦の門の手前まで来て、門を見上げた。
――開けてくださいって言ったら、開けてくれるかな?
クルーエルが声を上げようとしたとき、何の前触れもなく、門が開いた。

「ラディウスー!!門が開いたよー!!」

クルーエルはラディウスに向かって腕をぶんぶんと振る。
遠目にみてもわかるほど、ラディウスはあっけにとられた顔をしていた。