時雨の奏でるレクイエム

「砂漠の……

荒野の夜

ひどく疲れて眠りに落ちる

光は無情に

なお美しく

気高く

冷たく光る

我らはどこへ行くのだろう

来た道を戻るすべも知らず

歩き続ける苦しみを

君だけは感じないように

音のない孤独を

君だけは知らずにいるように

それだけを支えに

どこまで歩けばいいのだろうか

息

せき

きって

駆け寄る君に

なんと声をかければいいのだろうか

流転する星の川

幽明の砂の海

それでも魅せられ行く者ならば

孤高を貫き

振り返らず

心を捨てて行かねばならぬ……」

「旅人の歌だね」

「ああ、今まで出会った全ての旅人はこの歌を歌って送ってくれた」

ラディウスは何を想ってこの歌をうたったのだろうか。
冷たい瞳が揺らめいて、ひどく不安定に感じる。

「なあ、俺達は、何のために旅をしてきたと思う?」

「それは、幻獣王に会いに行く、ため……」

「それは、手段だっただろう。会いに行く、その目的は?」

「それは……」

それは、失くした居場所を見つけるため。

「最初からわかってたはずだ。旅はまだ終わってないんだ」