少女は父親に手を引かれ、ランタンの明かりが集まる街の広場へとやってきました。 どうやら、ここがハロウィン行列の出発点らしいですね。 「こんばんは」 「原口さん、こんばんは。 あら、くるみちゃん? 可愛いわぁ~ 妖精ね」 そんな褒め言葉をかけられる度に、この可愛い少女は慣れた仕草でクルリと身体を一回転させ、手に持った杖を一振りします。 「トゥリック、オァ、トゥリートゥ!」 おおぉ……発音も完璧です。