悠「はーい」
寝起きのため、掠れた声にボサボサのセミロングの茶色の髪をかきながら出てひょこっと顔を出すのは、3DKの家主のおばさん。
「おはよ~。今日も眠そうね。
いきなりなんだけど、今日の夕方ユウキちゃんの隣に、1人引っ越しして来る人がいるからまた頼むね(笑)」
と毎朝あたしを心配して様子を見に来る50過ぎのおばさん。
半年前に左隣に引っ越して来た夫婦の時もあたしに頼んできたが、また今度もあたしに頼んできた。
三階建てのアパートの一階に住むあたしには、迷惑この上ない頼みごと。
悠「今日日曜日だからいいよ」
そう言うとそうだったわねと優しく笑う大家さんが、
「これまた大量に作って余ったおかず食べてね」
と渡され
悠「毎朝ありがと。」
とお礼を言って部屋に入った。
あたしが、住み慣れたアパートで一人暮らしすると分かった時、いきなり家賃を半額まで下げてくれた。
有り難い上に、アパートの近くに建てられた真新しいからと、毎朝おかずを分けてくれる大家さん。
悠「眠いのに起こされた。もっかい寝よ」
そう言って自分の部屋に戻って布団に潜り込んで寝た…。