1月も終わりにさしかかった頃、いきなりあたしは、東条に呼ばれて港の近くにある倉庫にナギちゃんと一緒に言われるまま向かった。

中に入ってみると、見たことのないバイクが数台あって、何十人もの男達が東条を中心に話を笑ってしていた。

その中に居た東条がこちらに気が付いてニヤニヤしながら

カズ【よっ!あいつらは、おれのツレで、〃煉火(れんか)〃の幹部と総長の遠藤周作(えんどうしゅうさく)だ。
今からコイツ等の性処理の相手してやれや!!】

そう言ってナギちゃんに背中を押され、ふと東条を見ると、東条とナギちゃんが笑ってキスして服を脱がしてた…。

目の前の光景がどうしても信じられなくて、何十人もの男達が笑って近付いてきて、ワケ分からなくて、走って逃げようと思って走っても、倉庫の扉に外側からカギがかかってて、開かなかった…。

逃げる場所がなくて結局捕まって、東条の目の前で何人もの男にレイプされて、その間は涙しか出なくて何度も何度も殴られて、終いには、笑ってるナギちゃんに包丁でお腹や肩を刺されて、意識が朦朧(もうろう)としてる時に、ナギちゃんに
ナギ【人の男に手を出した罰よ。
それと、あたしレイプされた噂嘘だし、されてないから(笑)ゴメンねぇ~(笑
)それからラン達はあたしの奴隷なの。
全部仕組んだシナリオなのよ。前からうざかったからざまぁ~無いわね(笑)】

カズ【また電話するから相手頼んだぜ。
げられると思うなよ(笑)じゃな。
クックックッ…あっははははははっ!】


それからの記憶はない。目を覚ましたのは、3週間たった頃だった…。
目が覚める隣でずっとあたしの手を握って泣きながら、良かった生きてると笑いながら涙を流すマキくん達が居た。


事情を全部言って、また涙を流しながら眠ってた間の事を聞きながらずっとマキくんは謝っていた…。


あたしは、それから人を信じることも笑う事も、完璧に出来なくなっていた。


退院する日に、マキくん達幹部が来て、


マキ【俺ら、〃成火〃抜けたから!
もう、カズに着いて行けねえ。
だからこれで悠稀ともサヨナラだ。】


それだけ言って、あたしの家まで送ってくれた…。
毎日毎日、お見舞いに来てくれたマキくん達に逢ったのはその日を境に見なくなった…。