ふぁんたは予想通り、女の子のみならず男性軍の羨望も浴びた。



鍛えられた彼の体は、美術館とかにある彫刻のようだった。



わたしは目のやり場に困った。



「さあ、泳ごうよ」


ふぁんたがべたーっとビーチチェアにひっついているわたしの手を取って、人工の砂浜へと誘った。



「もうちょっとしてから」


わたしはビーチチェアから動くのを渋った。



「しょうがないなぁ」


ふぁんたは笑いながら水に入っていった。



わたしは、もう少しこのハンサムな弟を遠くから見ていたい、というのが本音だった。