朝、昼、夜としっかり食べさせられているわたしは、何日かするとスカートがきつくなってきた。
「わたしあなたのせいで太ったみたい。どうしてくれるのよ」
「そしたら、僕と一緒に毎朝走ろうよ。健康的に痩せるよ」
「いやよ、薄暗いうちから走るなんて。それに疲れるわ、出勤前に運動なんて」
「じゃあ、昼休みにキャッチボールをしよう。僕姉さんのランチタイムに合わせて会社の近くで待ってる」
「いい、いい。この話は忘れて。自分でダイエットする」
―会社になんて来られて、ピントのずれたこと言われたらたまんないわ!―
「いいこと考えた。僕今度からカロリー計算して、ヘルシーな食事を作ってあげるよ」
「あっ、それ一番助かる。サンキュー!」
「嬉しい?僕姉さんの喜ぶ顔見るの大好き!」
ふぁんたはそれはそれは喜んだ。
そういえば、ふぁんたに真面目にお礼を言ったのは初めてだった気がした。
わたしは本気でこの〔おとうと〕を可愛いと思い始めてきた。
そして、ちょっぴり母の不倫?に感謝した。