わたしの母は仕事先の上司である太郎に一方的に燃えるような恋心を抱き、それを彼にす打ち明けた。



太郎は


「妻と十歳になる息子をとても愛している。君の気持ちは嬉しいが僕には自分の妻以外愛することは出来ない」


と母に告げた。



でも母は太郎を諦めきれなかった。


幾度も太郎に愛を求め続けた。



母の望みは『一度だけでいいから愛してほしい、私はこれからも一生あなた以外愛しません』だった。



それでも太郎は『妻を裏切ることは出来ない』と断固拒否し続けた。




母はどんどんやつれ、やせ細った。



太郎は母を気の毒に思ってきた。



太郎は妻にそれを打ち明けて、どうしたものかと尋ねた。



―普通は、ここで相談なんてしないと思う!―




めぐみさんは母と会った。


そして母が命がけってくらいの恋をしているのを感じた。