有休を取っていたわたしは、空港までふぁんたを送った。



「バンビ、僕また来るよ。なにしろアメリカの大学は休みが長いでしょ。クリスマス休暇も次の夏休みも、その次のクリスマスも、また次の夏もずっと来るよ。バンビもアメリカに来てね。僕の家族はバンビの家族でもあるんだからね。そのことを忘れないで」


そう言うとふぁんたはわたしを、いつものようにぎゅーっと抱きしめた。




飛行機が離陸するのを確かめて、わたしは出口へと向かった。




寂しかったけれど、もう悲しくはなかった。