「いいわねぇ、京都なんて。それもふぁんた君と二人きりなんて。危ないなぁ」 渡辺さんが言った。 「なにを馬鹿げたこと言ってるんですか!わたしたちは今現在も二人きりで生活していますっ!」 「まぁそれはそうだけど、旅先となるとたががゆるんでつい禁断の道へ・・・なんちゃって。冗談よ」 渡辺さんはそう言って、姉弟なんだからツインひとつでいいよねと予約のためコンピューターのキーボードを叩いた。 だが、わたしは渡辺さんの言葉に動揺してしまっていた。