「いい考え?」 「うん。・・・パパと敦子さんが旅行した軌跡をたどるってのどう?」 「なにそれ、趣味悪いんじゃない?」 「そんなこと無いよ。姉さんが命を授かった素敵な旅じゃない」 わたしはふと思った。あれだけ母が隠し通していた父の痕跡に少しでも触れられるのではないかと。 「いいわよ」 わたしは決心した。 「オーケィ、じゃあ明日会社に行くね。ホテルの予約とかしなくっちゃ」 ふぁんたは張り切って言った。