「あたしの年齢知ってます?今年で四十二よ。男なら厄年よね、あたしは三十三で済ませたけどぉ」
ママはぺろっと舌を出した。
「同じ年頃のみんなが思春期に入るよりずっと早くあたしは男の子たちに恋をしたわ。他の同じタイプのみんなもそうだったって。きっと神様は報われないぶん、早く恋の芽生えを与えてくださったのだと思ったわ。事実小学校の頃は好きな男の子にベッタリしていてもお互い平気だったもの。・・・けれど中学に入ってみんなが当たり前のように異性に目覚めていくのを指をくわえてみていたわ。そう、こんなふうにね」
ママは大袈裟に指をくわえ、恨めしそうに上目遣いして見せた。



