「お前ら、オカマの店で働いてんのか?」
美和は権田ママの後ろに控えるホステスさんたちに聞いた。
「あら、ニューハーフと言ってよ」
ホステスさんの一人が美和に迫った。
「げっ、みんなそうなのか?綺麗だなあ。ママはともかくお前らが男だとすると、こいつら本物の女のくせにブスな奴らはどうすりゃいいんだ!」
美和は振り向いてわたしたちを指差した。
「なによぉこのチビ、誰が連れてきたのっ!丸山主任ーっ!代表で何とか言ってやってくださいよ、このクソこ生意気なガキにぃ!」
小林さんが悔しそうに叫んだ。
「すみません。娘・・・・です」
丸山主任が青くなって赤くなった。
「ハッキリとモノが言える素晴らしいお嬢さんですね。さすが丸山主任の娘さんだわ!躾がよろしいことっ!」
小林さんの声色を真似して、美和が言った。
小林さんのひきつる顔を見て、美和はニーッと歯をむきだして笑った。