ふぁんたは駅前の文房具屋さんに寄った跡で、約束どおり八百屋さんと魚屋さんとたこやきの〔てがる〕に行って、最後に東京ストアで買い物して元気にお礼を言っておつりを受け取った。



ふぁんたは、どんなに荷物が多くてもわたしに持たせることはしなかった。



彼は時には一度に数万円を食材費に使ったが、わたしには絶対払わせなかった。



「言ったでしょ。僕はパパの代わりだって。親が娘から食費なんてもらえないよ」



「それにしたって、金額が多すぎるわよ。エンゲル係数高すぎない?」



「外食に比べればずっと安いよ。味も量も満足な食事はストレスを溜めないんだって」



「そうなの?」



「うん、そして僕は姉さんに食事を作ってあげれるのがとても幸せなんだ」



「そこまで言うなら・・・いっか!」



わたしは贅沢に酔いしれてしまったが、九月にふぁんたが帰った後のことを考えるとくらくらしてきた。




―グルメになってしまったわたしの舌を、どうしてくれる―