「よう、ふぁんた!今日は活きのいいのが入ってるよ!」


魚屋さんの前で、ふぁんたはまた呼び止められた。



「あ、おじさん!オーケィじゃあ帰りにね。これから文房具屋さんに行くから」



「わかったよ!おっ、この美人がいつも自慢している姉さんだな」




魚屋のおじさんはそう言って

「弟さんには参っちゃうよ。俺よりも魚の鮮度を見分けるのがうまいんだ。さばくのだって玄人はだしなんだなこれが」

と自分のことのように自慢した。



「ふぁんた、ここで魚までおろしたの?」



「うん、もちろん自分で買ったものだけだよ。叔父さん忙しそうだったから」



「へーえ。で、次は八百屋さんてとこかな」



わたしは、そう言っている間にも次々に声をかけられるふぁんたを関心しながら眺めていた。