校門をくぐり、昇降口に向かう。 すると、近くを歩いていた女子たちがわたしに気付いてこそこそ話を始めた。 「……あ、祐斗くんの…」 「交通事故でしょ?」 「彼女のこと庇ったみたいだよ」 「……可哀想だね…」 ……可哀想? わたしが?祐斗が? 「ちょっと、聞こえてるからっ」 わたしをちらっと見て、その人たちは早足で昇降口に向かった。