「これが最後かもしれないなんて、いやだな…」

悲しそうな今にも泣き出してしまいそうな声で、亜美はポツリと呟いた。
うつむいていた顔をあげると亜美は、泣きそうな表情で私を見た。

「私、O市の施設に行くことになったの」
「…帰ってこれないの?」

やっと亜美に会えたのに…
すぐに離ればなれになるなんて嫌…絶対に嫌だ…

「わからないの。お父さんに捨てられたから…。でも同じ県内にいるし、いつかまた会えるよね?」
「…嫌だ」
「私だって嫌…。施設になんか行きたくない!」

大きな涙をぼろぼろぼろぼろこぼしながら亜美は泣いた。