左の頬に熱くビリビリとした痛みを感じて口のなかは血の味がした

「帰れ!!」
「イキナリなにするんですか!」
「帰れ!帰れ!お前等が千秋を殺したんだ!」
「そんなこと…」
「人殺しめ!!」

感覚がはっきりとしたのに、怒鳴る言葉にこめられた憎しみに私の感覚はズルズルと鈍くなる

バタンッ―とドアを乱暴に閉める音でハッと気がついた。

亜美も私も千秋の父親も
皆泣いていた…
悲しくて苦しくて切なくていろんな感情が胸のなかでグルグルと渦巻いていた