チャイムを押し音が鳴る
たったそれだけの動作が私には、かなりスローモーションにうつった

ガチャリ―と鍵が開く音がして、緊張はより一層強くなる

ドアの隙間からは
千秋の父親が睨むような視線を私と亜美にむけていた

「こんにちは。あの…千秋の友だ―」

全て言い切る前に私の身体は、花壇の方に薙ぎ倒された
一瞬何が起こったのか理解するまでに数秒
父親が怒鳴る声に気付くのに、さらに数秒かかった

亜美は、私の身体を起こして父親と口論していた