マルクから一週間後、大学病院に健さんと二人結果を聞きに行く。
この一週間まともに眠れなくて不安で不安で仕方なかった。

診察室に入ると、カルテを真剣なまなざしで見つめる医師が居た。
私の不安はさらに大きくなる。

「小山さん、調子はどうですか?」
「あんまり良くないです…」
「そうですか…。この前の検査の結果ですが…」

その場の空気が一気に張り詰める。

「今の状態はかなり危険な状態です。心臓の手術も控えていますね。ですが、現在の状況では、手術を受けること自体が自殺行為になりかねません。まずはこちらの治療をし、それから手術というふうにしていったほうがいいと思います」
「そうですか…」
「先生。その治療は具体的には、どのような治療をしていくんですか?治療をすれば2月の手術に間に合うんですか?」

落胆している私の横から、健さんが医師に質問をする。

「私が考えているのは、骨髄移植です。小山さんがまだお若いこともありますし、現段階では一番有効な治療法だと思います。手術のほうは、執刀医の予定にもよるので、まだ分かりませんが…正直厳しいかと…」
「骨髄移植をすれば、貧血のほうは完全に治るんですか?」
「完全に…というわけでは、ありません。もし成功しても再発の可能性もあります。ですが、私が一番心配なのは、進行状態が早いことです。再生不良性貧血から白血病になる可能性があるということです。もしそうなれば、それこそ多大な負担を小山さんにかけてしまうこともありうるんです」

骨髄移植…白血病…
頭の中は、不安とネガティブな言葉でいっぱい。
説明を受けているのに、まったく話が頭の中に入ってこない。