大学病院から、循環器で有名な病院へ転院し、着々と手術への準備が進んでいった。
順調に進んで、このままいけば、きっと大丈夫と医師や医療チームのスタッフも励ましてくれた。
私も前向きに手術への準備をすすめていった。
手術に必要な体力。規則正しい生活。
何もかもが順調にみえた。

いつものように、亜美と運動公園でウォーキングしていると急に強い眩暈をおこして地面に跪いてしまった。

「美沙！？どうしたの？発作！？」

発作じゃないよ。大丈夫。そう言おうとしたけど、気持ち悪くて言葉を発することも出来なかった。
そのまま亜美に支えてもらい、近くのベンチまで、どうにかたどり着いた。

「薬飲む？」

水と薬を差しだしてくれたけど、それも受け取って飲むことが出来ないくらいに眩暈と吐き気がひどかった。

「顔色真っ青だよ。本当に大丈夫？」

どうして、こんなにきついのか、私のも分からなかった。
最近少し疲れやすいのも、口内炎が治りにくいのも、対して気にもしないで、ビタミン剤や栄養ドリンクでごまかして生活していたけど、それがよくなかったんだろうか。