精神的には、いい時と悪い時の差がかなり出ていたけど、亜美には一切気づかれることなく、元気な私を見させ続けた。
一緒にいるだけで、楽しくて、嬉しくて。
こんなに満たされている気持ちになるのは、健さん以外では亜美だけ。
もしも私が男なら、彼女にしたい。そのくらい大事で大好きだった。

だから、私の弱くて情けない姿は、亜美に見せたくなかった。
病気のことなんて知られたくなかった。
それなのに…。それなのにバレてしまった。

亜美に飲んでいる薬を見られて、問い詰められた。

「ねぇ、これなに?」
「薬だよ」
「何の薬?精神科の薬?喘息の薬?心臓の薬?」
「薬は薬だよ」
「だからなんの薬?」
「なんで?ただの薬だよ?」
「ちゃんと言って。何隠してるの?」
「別に隠してはないんだけど…」
「ちゃんと言って」
「本当になんでもないんだって」
「嘘!なんでもないなら正直に言えばいいじゃん」
「…」

嘘はつきたくない。でも知られたくない。
どうしたらいいの?どうしても言わなきゃだめなの?