空港から出て、お互いにこれまでのことを、口を休めることなく話して、一緒に泣いて、一緒に笑う。
嗚呼。懐かしいな。昔の思い出もよみがえってくる。

洋服も何もないまま、こっちで生活するのは大変だからと。
空港から直接近くのショッピングモールに向かう。

「ちょっと居なかっただけなのに、大分変ったね」
「ちょっとって…。私にとってはちょっとじゃなかったけどね」
「ごめん。何も言わないまま居なくなって」
「いいよ別に。亜美には亜美なりの事情があったんだから」
「本当…」
「ま、こっちにいてくれたら、どうにかなるからさ。しばらくは、目の届くところで生活しててよ。じゃなきゃ、ストレスでハゲちゃう」
「あはは。なにそれ~美沙がハゲたら笑っちゃうんだけど」

よかった笑ってくれてる。
これなら、これならすぐに元気になってくれるかも。

再会はしても、自分の病気の話はできなかった。
今の状態で話して亜美の負担になるのはいやだったから…。