【実話】キズナ〜未来へ〜

美沙から着信があっているのを見つけて私は、すぐにかけ直す。
ワンコールもしないうちに、すぐに電話に出てくれた。

「亜美?今話して大丈夫?」
「うん。あんまり長くは話せないけど」
「そう。じゃあすぐに、選らんで。ひとつは警察に連絡して亜美を保護してもらう。もうひとつは、手間がかかるけど、知り合いに頼んで大阪経由で地元に帰ってくる。すぐ選んで」

警察…。安全なのはそっちだとわかっているけど。
親に迷惑がかかることだけは避けたい。

「大阪経由のほうにする」
「そう、亜美にもリスクかかるけど、それは覚悟して」
「分かった」
「じゃあ、手順説明するね」

どうやって、こっちのほうのことまで調べたのか。
美沙の作戦は、店のすぐそばにいるように正確だった。
店のなかでもめるよりは、外で。
それが美沙の作戦の一番重要なところだった。

私が唯一部屋から出してもらえるのは、仕事後の掃除のときだけ。
最初は自分でしていたけど、最近は従業員がしていて、他の女の子も全員フロアで待機する。
この時に、店の外へ出て、徒歩3分もかからないコンビニのほうへと走って、美沙の知り合いの人と落ち合って、とにかく遠くへ逃げる。
その知り合いが誰なのか分からないけど、行けば分かると美沙は言う。

もちろん失敗する可能性もあるから、その作戦を実行中は、携帯の通話をそのままにしておくことを絶対条件にして。
電話は、美沙の携帯に繋がっている。なにかあったら、即警察に連絡を入れてもらうことにした。

失敗すれば、きっと、私に命はない。
あったとしても、今以上の地獄が待っているはずだから…
失敗は許されない…