だけど、私の希望通りにはいかなくて結局一カ月近くの入院生活を送ることになる。
入院といっても、これといった治療をするわけではなくて、どちらかといえば体力と免疫力をなくした私の身体の体力作りのような入院生活だった。

毎日三食規則正しい食事。
毎日規則正しい生活リズム。
毎日軽い運動のプログラム。

なんて健康的?な入院生活を送っていた。
それなのに、私自身は回復するどころかむしろ悪化していると感じた。
これだけ健康的に生活して、ちゃんと薬も飲んでいるのに発作が起きるからだ。
発作が起きて苦しくなる度に死への恐怖は強くなる。
おまけに精神安定剤などの薬もほとんど飲むことをストップされていた。
たくさんの薬を飲んだり点滴したりしていたから、身体の調子が悪い時は身体の薬を、
心の調子が悪い時は心の薬を飲んでいた。

毎日飲む心の薬といえば、軽い睡眠導入剤くらい。
この時飲んでいた睡眠導入剤は普段飲んでいる同じ種類の錠剤の中でも一番小さなもので、気休め程度にしか飲んでいなかった。

眠ることが、怖い。
もう二度と、目を覚まさない自分の夢を何度も見る。

心の安定剤役の健さんとも会えない。
死への恐怖は増えるばかり。
身体はよくなっているのかもしれないけど、心は限界だった。