少しずつ記憶がなくなっていった。

人がかわったみたい…
口調が違う…
いきなり殴られた…

そんなことを周りの人たちに言われても、私は一切覚えていなかった。

なんでそうなってるのか、私にも分からない…
記憶がなくなる時間は、少しずつ少しずつ長くなっていった。
これがDIDの始まりだなんて思いもしなかった。


※DID
解離性同一性障害の略称
強い心的外傷から逃れようとし、解離により一人の
人間に二つ以上の同一性または人格状態あらわれる。