今日何人目の客だろう。
もうなにもする気が起きない。
疲れた。もう嫌だ。男なんて見たくない。
触らないで、触らせないで。

時計を見れば午前4時をまわろうとしていた。
もう、終わりだ。このまま客なんて来なきゃいいのに。

仕事中なのにうとうとしていると部屋の電話が鳴る。
客か…。もう相手にしたくないんだけど…。

ボロボロの笑顔を客に振りまいて、やる気のない手つきで仕事をこなす。
客は、酔っているのか、やたらと興奮した様子。

「ツ、ツバサちゃん。挿れさせてよ」
「だめですよ~本番は禁止ですから」
「ちょっとだけ、ちょっとだけだから」
「だめです~怖いお兄さん呼びますよ?」

うざい、なにこの客。
死ねばいいのに。こっちは疲れてるんだっての。

「こっちは、客なんだよ。さっさと股開け売女!」
「はぁ?意味分かんない。ちょっとどいてよ。店の人呼ぶから」
「呼んでみろよ。どうせこねぇから」

きもいうざい。もう死んで。
今すぐ目の前から消えて。