詳しい説明を受けても、よく分からなかった。
とりあえず、私の心臓は手術をしなければいけない状態のくせに、それができない形と合併症をひきおこしているらしい。
なんてわがままな心臓なんだ。主ににたんだろうか?

今後の治療方針も、はっきりとしたものはなくて、その都度対処していくしかないなんて…。
今までのツケだろうか。神様に嫌われたんだろうか。

私は、死ぬ時も出来損ないのまま死んで逝くんだな…。

ジッと、手のひらを見つめて、血管をなぞる。
今は生きてるのにな。
自分でもよくわからない感情と、涙がこみ上げてくる。

手のひらに落ちた涙のしずくを見て、ふと健さんの顔が浮かぶ。
そうだ、今なにしてるんだろう…?
やっぱり伝えなきゃだよね。
いきなり私が死んだら、また健さんも辛いだろうし…。
メールを開くと、健さんあての「苦しい」「助けて」という送信メールが目に入る。
嗚呼。苦しくて送ってしまってたんだな…。
健さんからの返信がきているのに、それに気づかないまま、時間が過ぎてた。

私の送った内容がない様なだけに、健さんからのメールは、今までにないくらいの心配していることが、伝わってくる内容だった。