【実話】キズナ〜未来へ〜

目が覚めると、真っ白な天井がすぐに目に入る。
規則的な機械音が耳に入って、身体じゅうにつけられた、医療機器と、いろんな管が目に入る。

嗚呼、私は、まだ生きてる。
よかった。生きてるんだ…。

点滴の付け替えをしてもらっていると、めずらしく母親が病室に来た。
私と会うなり、母親が言った言葉は…

「あんた、死ぬんだって」

その言葉を、無表情で冷たく言い放った母親。
やっぱりね…。私の中でそんな言葉が浮かんだ。
看護師が、母親が医者と話していると私に言ったから、めずらしいこともあるもんだなぁと思ったけど。
まさか、自分が死ぬ話だったなんてね。
でも、死ぬときくらいは、母親が病院にきてくれたんだと思うと、少しうれしかった。

心配して…というよりは、医療費などの負担や、治療に親の同意がいるからだろう。
カウンセラーの先生も来てたし、センターから病院に行くように言われたのかも。
まぁ。母親がどんな思いでここにきたのかは知らないし、知るすべもないけど…。