撮影をすませて、写真をアップすると、その日の営業からすぐに指名の電話がかかった。
指名が来なかったらどうしようという不安をすぐに打ち消してくれたけど、それ以上に、お客さんのところでちゃんと対応が出来るかの方の不安はとれなかった。



ホテルのドアをノックする。
もう心臓はバックバク。
どんな人が、どんなことを要求してくるだろう。

「こんばんは~クラウンのツバサです☆」

普段は出さない、ぶりっこ炸裂な声で、お客のもとへいく。

「わぁ~写真より実物のほうがスタイルいいね~顔もかわいいし僕好みだよ」
「ありがとうございます~初めてだから優しくしてくださいね☆」

始終ニコニコで、仕事をすすめる。
相手は始終いやらしい手つきで私を触る。
感じてもいないのに、感じた声を出して、嬉しくも無いくせに嬉しいふりをして。

でもこれが、仕事なんだ。これで、お金をもらうんだ。
大丈夫、いつもと一緒。大丈夫、大丈夫。