【実話】キズナ〜未来へ〜

パッ立ち上がったミサは、そのまま家を出ていってしまった。
私はあわてて追いかける。ヒールのくせに、ミサはどんどん先に進んでく。
見失わないように、私も全速力で追いかける。

薄暗い空から、太陽がのぞきはじめてるのを見て、もう夜明けだと知った。

「ミサ待って!!ストップ!ストップしてー!」

走りながら叫ぶから、横腹がきりきりと痛い。
でも、今のミサはそれ以上の痛みを感じてる。

やっと止まったかと思うと、河川敷の方へ降りていってしまった。
橋の下の方まで追いかけていくと、そこでもミサは立ったまま泣いていた。
さっきまでと違うのは、瞳の中が憎悪で埋め尽くされていないこと。

「ミサ…」
「うち、もう終わりよ。もう、うちはゴミと一緒よ」

自分のことをゴミというミサに、心がチクンと痛い。

「何があったの?私にとっては、ミサはゴミでもなんでもないじゃん」

ミサの中で何かが崩れたのか、叫びながら、泣きながら、ミサに起きたことを私に伝える。