翌日開かれた交流会。
今回は、自分のことを話すというもの。
自己紹介でも、自分の人生でもなんでもいい。
下書きのような作文などはなく、その場その場で、自分が伝えたいことを相手に伝える。

ここには、いろんな人が入院してるから、普通の人では、聞けないような話がどんどんでてくる。
面白いなと思いながら、自分の順番が来るのを、嫌だと思いながら、時間は過ぎていく。
私の番になって、椅子から立ち上がると、何を話していいのか頭が真っ白になった。
名前だけを言って、私はその場に立ち尽くした。
何を話したらいい?どうしたらいい?やばい、皆こっち見てる。

キモチワルイ―ミナイデ―コッチヲミナイデ―

「私、これからどうしたらいいか分かりません」

え?今私何言ってるの?

「まだ10代だし、高校は中退したし、親はいないも同然だし、病気はあるし、これからどうやって生きていくかなんてさっぱりわかりません」

自分の頭の中の声とは別にどんどん言葉がでてくる。

「いつかの幸せっていうのもわかりません。というか私は幸せになれるのかもわかりません。一生幸せになれないのかもしれません。汚い身体で、汚い心で生きていくくらいなら、私は死んで一生命を与えられなければいい」

本心なのか、偽りの言葉なのかわからないけど、話す言葉の中で、私は私を否定する。
交流会に参加していた人に不安を与える言葉は、禁句。
看護師が、話を遮って私を部屋にもどす。