おもい身体を起こして、引き出しからパンフを取り出す。

名前を知ってたJ高校のパンフは、いかにも青春してます!!といった感じの生徒が、満面の笑みで表紙になっていた。
全日制と定時制の二つを選ぶことが出来て、いろんな資格を取得できるのが、工業高校らしい魅力らしい。取得できる資格も載っていて、目を通して見たけど、専門的な言葉ばかりで、私には何の事だかさっぱり分からなかった。
実家からも近く徒歩でもいけるのはいいんだけど、ずっと実家に居るわけでもないし、工業的なことに対しても全く興味がわかなかった。

逆に名前を知らないK高校は、学校名しか書いてないシンプルなもので、昼間部・夜間部・通信制からなる学校の様子を細かく書いていた。
ここは、普通科と商業科にわかれていて、取得できる資格もいくつかは、名前を知っているものだった。
ただ、街で生活しているなら場所が近いのに、実家からだと、通学に1時間半以上かかること、交通費が往復するとけっこうかかることから。
毎日通わなければいけない、昼間部・夜間部のコースは難しい。
だとすれば、私が通うことが出来るのは、通信制のコース。
月2回のスクーリング。レポートの提出。
これなら、なんとか通えるかもしれない。

でも、もう一度高校に通うには問題は、山積みだった。
学費や、親の許可、住む場所、そして今入院しているという事実。
中卒で、仕事をするのは厳しい現実だけど、今の私が高校に通うこともなかなか難しいことだった。

通えるなら、もう一度高校にいってもいいし、無理なら無理でいい。
私の中での高校は、その程度のものだった。

今まで生きてきて、学校生活が楽しかった思い出なんてないんだから―