担当の先生との面会がある日は、私にとって人生の選択と同じだった。
うまく対応できれば、それだけ、早くここから出られるし、外の世界のことやこれからについて色んな話が出来るから。

ここをでたらどうしたい?と聞かれて、私は、何か続けられることをしたいと答えた。
仕事でも趣味でも、なんでもいい。
何かを続けることがしたかった。何もすることがなくならないように。

「将来の為に学校に行ってみる?」
「学校?私中退したし。無理だよ。年下とかと一緒にとか絶対無理」
「全日制は、確かに今の美沙ちゃんには、きついし難しいとおもうけど、よかったらパンフあげるからみてごらん?美沙ちゃんがいきたいなって思えば、お母さんやお姉ちゃんに話してあげるよ」

そういって手渡された2枚のパンフレットに、ジッと視線をおとす。
一つは、全日制高校と一緒になってる学校だから、名前は知ってた。
もう一つの学校は、名前も場所も知らないところ。

学校かぁ。将来とか私には見えてこないけどな…
そう思いながら引き出しにパンフをなおす。