白い壁のなかでの生活は、いつも何かが足りない。

いろんな患者さんとの交流も勉強会もイベントもある。
でも、ひとつも満足できない。
何をしていても、だから何なの?って気分になる。
悪化してると思われたくないから、体調が悪くない時以外は、ほとんど病院内の行事に参加した。
悪化してると思われれば、それだけ自由は無くなって入院期間は長くなるから。

私の場合、病院から脱走した過去があるから、携帯の持ち込みも禁止で、外部との接触は、家族以外認められなかった。

健さんに頼まれた、姉は、毎日2時間ある面会時間に仕事が終わってから来てくれた。
私が外に出れない間、健さんと姉の間に関係が出来てたことも知らずに、私はひたすら絵を描き続けて、2時間の間で、写メに撮って送ってもらった。

「綺麗だね」

そういってもらえたのが嬉しくて、何枚も何枚も書き続けた。