【実話】キズナ〜未来へ〜

自宅に帰ってきて、二日目の夜中。
カギの開く音で、目が覚める。
母親が帰ってきたのかと、私の心臓は今にも握りつぶされそうなくらい締め付けられる。

誰?誰が帰ってきたの?

ジッと、音をたてないように耳をすますと、歩く方向からして、帰ってきたのは姉だと分かった。

のろのろと自分の部屋を出て、姉がいる部屋へと向かった。

「なにしに帰ってきたの?」

背中越しに私に話しかけてきて、少しびっくりした。

「学校辞めたらすることなくて…」
「はっ。いままでだって同じようなものだったくせに」
「…うん」

やっぱり会話がうまくできない。
自分の部屋に戻ろうとしたとき、グラリと強いめまいを感じて、私はその場に倒れ込んだ