ぽつりぽつりと、独り言をつぶやくように亜美は自分の話をする。

「父親と母親が仲悪くて…小さい頃から父親に殴られてて…」

「我慢するしかなかった」

「母親は、私と姉を残してどこかに行っちゃった…」

「姉も家を出たから私は、父親から逃げられない…」

「身体を売るのは、父親が命令するから…」



空を見上げたまま、話をする亜美は、涙を我慢しているようにも見えるけれど、それよりも、もっともっと悲しくて切なく見えた―