東京に行く前に話があると、お母さんに呼ばれた。
もしかして、援交がバレた!?
心臓が飛び出してしまいそうなくらい、ドキドキする。
どうしてバレた?どうやって?

「亜美、ここに座って」

お母さんの表情をみれば、いい話ではないと一目瞭然。
疲れてるのか、呆れてるのか、困ってるのか。
よくわからないけど、とりあえず、私にとっては、不都合なこと。

「話って何?」
「亜美が、養子縁組したくないっていったじゃない?それで、お父さんが怒っちゃってね。養子縁組しないなら、家には入れないっていってるのよ」
「で?どうするの。私絶対に養子縁組とかしたくないから」
「嫌ならしなくてもいいけど、住むところとか、生活はどうするのよ」
「自分でなんとかする」
「できるわけないでしょ?まだ子供なのに」
「悪いけど、お母さんがいなかった間、私はひとりでいきてきたの。子供だけど、生きていく術は持ってるの。だから、自分の都合で、私の人生まで決めないでくれる?東京だって本当は行きたくないんだから。行きたいなら花梨と2人で行けば?その方が都合いいんじゃない?私より、花梨の方が大事でしょ」
「親に向かってその言い方はなによ!アンタがもっといい子にしてくれたら、私だってこんなに苦労しないですむのよ!」
「は?苦労?自分だけ苦しいわけ?あ~そっかお母さんは、自分が一番だもんね~だから、簡単に、子供捨てて出ていったり、自分の都合だけで、子供引き取りにきたりするんだよね~」
「親にむかって、そこまでいうのね。呆れた。もう亜美の好きにしなさい。どうでもよくなったわ。私の子供は花梨だけで十分」

家族ごっこは、もうおしまい。
私は、ここを出ていく。もう二度と戻らない。