こんな人に私の人生を任せるなんて絶対いや。
進路のことも何もかも相談したくないし、もう話したくも顔を見たくもない。最悪。なんでこんな人が私の担任なの。
この人の手は、絶対に借りない。

カウンセラーの先生と、進路指導の先生に、これからの事を相談した。
「あんな人に、私の生き方まで口出しされたくない」
「まぁまぁ、そんなこと言わずに」
「無理。別に高校も行かないで仕事もしないでいいなら、二度とここには、来ないから」
「それでいいの?小山さんは、たった一度の人生なんだよ?」
「何が?」
「幸せになりたくないの?」
「先生らが言う幸せってなに?わからないんだけど。教えてよ」
「う~ん…」
「幸せはね、人によって感じ方が違うんだ。いま小山さんは何をしたい?どうやって生きていきたい?」
「自由。自由に生きたい。それだけ」
「そっか。でも、小山さんにとって自由って何?」
「…分かんない。けど、今のままは嫌。絶対。何も出来ない。何もする力もお金も。私には何もない」
「力もお金もないか…。でも、そうするには進学か就職しなきゃいけないよね?」
「だから…?」
「自分の未来についてちゃんと考えなきゃいけないよ?」

未来…。そんなもの私にあるの?
一日、一日を生きるのが精一杯なのに。
今日生きているなら、明日のことなんて見えなくてもいいじゃん。
人なんていつ死ぬかもわからない