夕飯の時間になっても、お母さんは帰って来ない。
ちゃんと帰ってくるよね…。
過ぎていく時間が、気になって何度も時計を見る。
花梨は、そんな私に気付くはずもなくて、無邪気にあそんであそんでと、笑顔を見せてくれた。

大丈夫、お母さんはちゃんと帰ってくる。
大丈夫、大丈夫…。
私は自分に、そう言い聞かせた。