学校につくと、まだ生徒の姿は、誰一人として見えない。
よかった、まだ来てないんだ。

でもやっぱり裏口から、ここが私にとっての校門だから。
久しぶりの学校は、何一つ変わってない。
ここにきていろんなことがたくさんあったんだよね。
亜美と出会って千秋と出会って…。

淋しさがキュンと胸を締め付けた。

こんな顔してたら、また美沙に心配かけちゃう。
あの子、すぐ泣いちゃうから。
元気な姿見せてあげないと。

朝の静かな校舎には、私の足音だけがパタパタと静かに響く。
まるで、私以外誰もいないかのよう。