皆で食卓を囲んで朝ごはん。
家族でご飯か、久しぶりだな。
お父さんとお姉ちゃんがいないから、家族全員ではないけど…

「こら!花梨ちゃんとごはんたべなさい」
「今日のおみそ汁はおいしいねぇ」

そんな会話ひとつひとつが、なんだか幸せな気分にしてくれた。

「あーちゃんは今日から学校だねぇ。頑張っておいでねぇ。ばあちゃん応援してるからね」
「ありがと!頑張ってくるね!」
「亜美?学校にそんな格好でいくのかい?」
「えっ?行くよ?なんかおかしいかな?」
「いやいや、いまどきの若い子をじいちゃんは知らんでな。亜美がいいと思ってるならそれでいいんだよ」
「今日は、大事な友達に会うから気合い入れてんの!」

その言葉を、言った時、私を見るお母さんの表情が一瞬厳しくなったように見えた。
見間違いかな?お母さんは、今の学校の子を誰一人として知らないはずなんだけど。

「あ、もう行かなきゃ。他の子が来る前に学校入りたいから」
「気をつけてね。いってらっしゃい」

いってらっしゃいか…
なんか、こんなの久しぶり。
これが家族って感じだよね。

きっとまだまだ、こんなささいなことで“家族”を感じるんだろうな。